Monthly Regular Meeting, February 2026 (234th Meeting of the Opera Research Group)
English follows Japanese
エミール・ゾラと音楽-19紀後半のフランスにおける文学とオペラの関係:野田農
発表要旨
フランス19世紀後半の自然主義を代表する作家エミール・ゾラは、小説家としてのみならず、近年の研究では、オペラ作曲家アルフレッド・ブリュノーとの共同制作に関心が寄せられ、小説家の音楽に関する批評が新たな研究対象として着目されている。一方で、若き日のゾラは、オッフェンバックを第二帝政の退廃性を象徴するものとして仮想敵と見做し、『ナナ』などの小説作品の中では、このオペレッタ作曲家の作品を一種のパロディとして批判的に描いている。本発表では、エミール・ゾラの批評における音楽に関する記述を再検証しつつ、小説家が自らの作品の中でどのような形で音楽芸術を描き出しているか分析を行う。作家の創作遍歴における各時代の様相を概観することを通して、19世紀後半の自然主義文学とオペラや音楽劇との関係について考察する。
開催概要
- 日 時:2026年2月7日(土)16:30-18:00
- 場 所:Zoom配信
- 発表者:野田農(早稲田大学)
- 司会者:落合美聡(早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所)
- 言 語:日本語
- 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
- コメント:24名の参加があった。
発表者プロフィール
京都大学および同大学院文学研究科に学ぶ。2012年から2016年にかけてソルボンヌ=ヌーヴェル・パリ第三大学へ留学、2020年3月の春、同大学にゾラの小説作品に描かれた都市風景、都市の表象に関する博士論文を提出し、博士号取得。2021年より現在の勤務先である早稲田大学創造理工学部に着任。現在は、エミール・ゾラを中心に、フランス自然主義の作家を研究する一方で、フランス19世紀後半の象徴主義と自然主義の関係や、同時代の科学思想・哲学思想との関連にも関心を広げている。


東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、お茶の水女子大学大学院博士後期課程を修了(博士、人文科学)。日本学術振興会特別研究員、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所特別研究員などを経て、現在エリザベト音楽大学講師。研究対象領域は、G.ヴェルディを中心とする19世紀後半のイタリア・オペラの劇作法とその受容。近年の論文は「歌劇《シモン・ボッカネグラ》の改訂における、台本詩行と歌唱旋律に対する修正の関係性」(『音楽学』69巻2号)など。幼児教育番組の楽曲における歌詞と旋律の特徴にも関心を持っている。

