Monthly Regular Meeting, November 2025 (232nd Meeting of the Opera Research Group)
English follows Japanese
浅草オペラにおける舞踊作品の再演について―高田雅夫(1895-1929)の舞踊作品の再演可能性についての検討―
発表要旨
大正期の浅草オペラでは、後に日本のモダンダンスのパイオニアとなった石井漠(1886-1962) や高田雅夫を含め、帝劇歌劇部出身者や彼らの門下生が多くの舞踊作品を創作・発表している。それらの中には再演されているものも見受けられる。
特に高田雅夫は多様な作品を数多く発表しているが、いずれもあまり再演されることはなかった。しかし観客に大いに喜ばれたものがあれば、高田は再演したいと思うかもしれない。その際には、舞踊作品としてではなく、他作品の舞踊場面として再演されたことも考えられる。
本発表では浅草オペラにおける舞踊作品の再演状況を概観する。そして高田の舞踊作品が作品の一場面に挿入され再演された可能性について検討する。
開催概要
- 日 時:2025年11月08日(土)16:30-18:00
- 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス54号館204教室 およびZoom配信
- 発表者:杉山千鶴(早稲田大学スポーツ科学学術院)
- 司会者:永井玉藻(東京大学)
- 言 語:日本語
- 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
- コメント:20名の参加があった。(会場8名、オンライン12名)
問合せ先
早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:https://prj-opera-mt.w.waseda.jp/
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ([at] = @)
発表者プロフィール
早稲田大学スポーツ科学学術院教授。1983年より藤井公・利子にモダンダンスを師事、藤井公・利子主宰東京創作舞踊団の活動に参加(~2008年)。専門は1920年代の浅草軽演劇を中心とした近代日本洋舞史。共編著に『浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代』(2017年、森話社)、共著に『日本人のからだ・再考』(2012年、明和出版)、その他がある。
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、お茶の水女子大学大学院博士後期課程を修了(博士、人文科学)。日本学術振興会特別研究員、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所特別研究員などを経て、現在エリザベト音楽大学講師。研究対象領域は、G.ヴェルディを中心とする19世紀後半のイタリア・オペラの劇作法とその受容。近年の論文は「歌劇《シモン・ボッカネグラ》の改訂における、台本詩行と歌唱旋律に対する修正の関係性」(『音楽学』69巻2号)など。幼児教育番組の楽曲における歌詞と旋律の特徴にも関心を持っている。

