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オペラ/音楽劇研究所主催 シンポジウム
歌劇場のプログラム分析から見えるもの――音楽劇データベースの構築と利用法
プログラム
開会挨拶
趣旨説明
【第1部】中東欧の歌劇場におけるプログラム研究――ワーキンググループ活動報告として
研究報告
【第2部】音楽劇データベースの活用について
研究動向紹介:「近年の音楽劇データベースの公開状況について」(「歌劇の上演状況に関する研究」WG による報告)
全体討論
・佐藤英(日本大学助教・研究所招聘研究員)
・東晴美(群馬県立女子大学非常勤講師・研究所招聘研究員)
概要[発表内容]
本シンポジウムは2部構成であり、研究所内ワーキンググループ「歌劇の上演状況に関する研究」の中間報告としての第1部と、外部からの招待講演を中心とする第2部からなった。まず第 1 部「中東欧の歌劇場におけるプログラム研究――ワーキンググループ活動報告として」では、ハプスブルク帝国内のウィーン宮廷歌劇場(若宮氏)、プラハの仮設劇場とブダペストの国民劇場(岡本氏)、さらにロシアの状況としてモスクワとペテルブルクの帝室劇場(平野氏)、私立マーモントフ劇場(神竹氏)について、それぞれの上演演目や言語別の上演傾向に関して比較を交えつつ報告された。
ひきつづき第2部「音楽劇データベースの活用について」では、近年公開された音楽劇関連の3種類のデータベースが紹介され、その後、(公財)統計情報研究開発センターの坂部裕美子氏から招待講演が行われた。坂部氏からは(公社)日本俳優協会の「歌舞伎公演データベース」の構築のためのデータ整備における問題点とその解決方法、さらにデータベースを利用した集計結果について、歌舞伎、寄席、宝塚等の様々な例をご紹介いただいた。
最後に討論者の佐藤氏と東氏から地域・時代を広げた本研究の位置づけについてコメントをいただき、データベースの活用法や今後の作成の可能性について参加者から活発な議論が行われた。構築者と利用者の双方向から意見を出し合うことで、今後の音楽劇研究の方法を模索する場として一定程度の成果を出したと言えるだろう。
開催記録
質疑応答
収録するデータの種類、量、言語や表記の統一方法など、今後作成予定のデータベースについての質問のほか、データのみを量的に分析対象とする研究方法の利点とその限界、仮説の設定などの他の研究方法との組み合わせについて議論が行われた。