2020年度2月研究例会(第193回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

[第17回]

大正・昭和初期のオーケストラ演奏会と「オペラ抜粋曲」

◇報告者:井上登喜子

◇日時:2021年2月6日(土) 16:30-17:30
◇会場:オンライン開催
◇言語:日本語

概要

オペラの序曲や抜粋曲の演奏は、近代以降の欧米諸都市において、多様な演奏会文化をつなぐ「共通文化」として機能してきた。日本でも大正期から昭和初期にかけて、「オペラ抜粋曲」は人気を博し、異なる音楽嗜好・演奏機会・ジャンルを跨いで受容された。その背景には、歌劇の流行、管弦楽団の興隆、アマチュア音楽活動の活発化、レコードと蓄音機の普及、音楽雑誌と楽譜出版の需給拡大という洋楽受容動向がある。本発表では、当時の学生オーケストラの演奏会を事例として、「オペラ抜粋曲」レパートリーの演奏に映し出される人々の音楽嗜好とその変遷を考察する。
キーワーズ:オペラ抜粋曲/寄せ集め/コンサート/ビゼー《カルメン》/日本/大正期・昭和初期/学生オーケストラ

報告者プロフィール

お茶の水女子大学准教授(音楽学)。お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(人文科学)。音楽文化とその受容の諸相について、近代の日本と欧米の演奏会文化や聴取文化を対象に、歴史的・実証的アプローチから研究している。主な研究にWestern classical music in a non-Western culture: The repertoires of Japanese professional orchestras in the twentieth century、「戦前日本におけるオーケストラの曲目選択に関する実証研究」、「19世紀ドイツと合唱:ひと・空間・民族をつなぐ合唱活動」、『「聴くこと」の革命:ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか』(共訳)など。
※プロフィールは発表当時のものです


開催記録

オンラインによる開催(Zoom使用)
司会:荻野静男
参加者:29人

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