2014年度11月研究例会 (第134回オペラ研究会)

English follows Japanese

研究発表(卒業論文報告)

ヴェリズモ・オペラの演出における歴史性 ~フランコ・ゼッフィレッリを中心に~

◇発表者:笠原真理子
◇日時:2014年11月15日(土)17:20-18:50
◇会場:早稲田大学 早稲田キャンパス 18号館 国際会議場・共同研究室(7)
◇言語:日本語

概要

本発表は、発表者が昨年提出した学士論文の報告である。発表者は「ヴェリズモ・オペラが作品の成立した当時における『現在』を描き出したことに意味があるのだとすれば、それを上演するときには既に過去となってしまっている『現在』をどのように演出しているのか」という問題提起を出発点として、ヴェリズモ・オペラの2作品『カヴァレリア・ルスティカーナ』と『道化師』の演出内容について分析した。分析方法としては、ある作品が作品の出来た頃の時代的背景をどの程度反映させているか、ということを「歴史性」と呼んだ上で、両作品の作品背景を解釈し、更にはヴェリズモ・オペラの作品の演出における「歴史性」を、Franco Zeffirelliが1982年に演出したプロダクションを軸にして検証している。その際にZeffirelli以前の演出、Zeffirelliが1978年に演出したプロダクション、そして彼以後の二人の演出家(Graham Vick, Giancarlo del Monaco)を取り上げて比較対象とし、それぞれの演出を登場人物の描き方によって分類した。その結果、彼が演出において目指したものが、「大道具の派手さや小道具のリアリズムを重視した演出」ではなく、彼が言うところの「オペラの規則である壮麗さ」であったことを明らかにして結論とした。


開催記録

参加者:19名

質疑応答(一部紹介)

ヴェリズモ・オペラ自体についての掘り下げた分析、歴史性という言葉の意味の内容、Zeffirelliのオペラ作品以外での演出について質問があった。また、ヴェリズモ・オペラがもつ特色であるローカル性や、Zeffirelli自身の演出特色について議論が行われた。


Research Report (Report of Graduate Thesis)

What is the “Historical” Perspective in Directing Verismo Operas? – Focusing on Franco Zeffirelli

◇Presenter: KASAHARA, Mariko
◇Time and Date: November 15 (Sat.) 2014, 17:20-18:50 (JST)
◇Venue: Research Meeting Room 7 in the 18th bldg., Waseda University
◇Language: Japanese


Meeting Report

There were 19 participants.