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『ミュージカルにおけるリプライズの機能-諸作品に共通の作曲法に関する一考察』丸山瑶子
発表要旨
これまでミュージカルの楽曲分析研究において、音楽素材のリプライズは作曲法の一つとして注目されている。発表者もこれまで、短い旋律単位であれ、フレーズないし楽曲単位であれ、リプライズが劇の進行や台詞には現れない劇内容を表現する機能を果たしていることをLes Misérablesを中心に分析してきた。
しかし、しばしば指摘されるように、ミュージカルの楽曲分析研究そのものがあまり目立たない現状では、まだ各作品におけるリプライズの用途や、ミュージカル・ジャンル全般に共有される様式的特徴、およびその歴史的傾向は十分に明らかにされていないように思われる。
本発表では、はじめに既存研究に基づき、リプライズの多数の機能から一部を例示したのち、いくつかの作品に共通して見られるリプライズの用例に焦点を当てる。すなわち特に、登場人物の名前を歌うナンバーないし旋律のリプライズである。発表者は当該の用例を示し、物語内容と照らし合わせて考えられうるリプライズの働きを論じる。その上で、「名前」を歌うリプライズに関して、今後の研究で明らかにすべき諸問題を挙げる。
開催概要
- 日 時:2025年6月14日(土)16:30-18:00
- 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス54号館204教室 およびZoom配信
- 発表者:丸山瑶子(東京藝術大学 専門研究員、慶應義塾大学他 非常勤講師)
- 司会者:井上登喜子
- 言 語:日本語
- 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
参加申込方法
Zoom参加者は事前登録が必要です。参加希望者はできるだけ前日の6月13日(金)までに以下のURLから事前登録をしてください。
URL:https://list-waseda-jp.zoom.us/meeting/register/fervKHhWQIODXIh_oh1o6A