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【開催案内】オペラ/音楽劇研究所 アレッサンドロ・スカルラッティ没後300年記念シンポジウム 「バロック・オペラの規範の確立と展開」

アレッサンドロ・スカルラッティ没後300年記念シンポジウム 「バロック・オペラの規範の確立と展開」

開催概要
  • 日 時/Date and Time:2025年12月6日(土)13:00~19:00
  • 場 所/Venue:早稲田大学早稲田キャンパス小野記念講堂(研究発表のみオンライン併用)
  • 対 象/ Prospected Audience:一般、学生、教職員
  • 言 語/Language:日本語、イタリア語(収録映像、日本語訳あり)
  • 主 催/Organized by:早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所
  • 後 援/Supported by:早稲田大学総合研究機構、イタリア文化会館

ちらしのPDFはこちら

趣旨

2025 年に没後 300 年を迎えるアレッサンドロ・スカルラッティは、ナポリ楽派の祖、そして”古典オペラ”の構造のスタンダードを作った存在として知られます。一方、その生涯や作品の真価の探求はまだこれからの課題です。本シンポジウムでは、彼がオペラ作曲家として活動した 1679 年から 1721 年を概観するため、ローマで上演された最初のオペラ(1679)、イタリア古典歌曲集「すみれ」の原作で知られる中期の名作《ピッロとデメートリオ》(1694)、ほかヴェネツィアやナポリで上演された中高期の作品の分析から、彼の創作を様々な角度から明らかにするとともに、さらに彼がイギリス、ドイツ語圏、ロシアにおいてどのように受容されていたかを探ります。

プログラム

開会挨拶 石井道子(早稲田大学教授・オペラ/音楽劇研究所長)

趣旨説明 大河内文恵(東京藝術大学附属高校非常勤講師・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員・WG代表)

  • 第1部 特別講演(収録)

ディンコ・ファブリス Dinko Fabris(バジリカータ大学教授・国際音楽学会元会長)
「アレッサンドロ・スカルラッティ研究の現在」

  • 第2部 「イタリア」

発表①辻昌宏(明治大学教授・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員)
Gli equivoci nel sembiante》 ローマ初演をめぐるスキャンダル

発表②萩原里香(武蔵野音楽大学非常勤講師・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員)
A.スカルラッティのオペラの再演をめぐる状況:《ピッロとデメートリオ》 のシエーナ上演を対象に

発表③ 佐々木なおみ(ディスコルシ・ムジカーリ主宰、在シチリア)
創作の背景から見るオペラ 《ミトリダーテ・エウパトーレ》

発表④ 山田高誌(熊本大学准教授)
《貞節の勝利》 (ナポリ、フィオレンティーニ劇場、1718) :初演劇場とジャンルに関わる“コンテクスト”からみて

★演奏1
《顔立ちで取り違え Gli equivoci nel sembiante》 (1679)より
《グリゼルダLa Griselda》 (1721)より
森川 郁子(S)、森 有美子(S)、阪永 珠水(Vn.)、髙橋 弘治(Vc.)、上羽 剛史(Cem.)

質疑応答 コメンテーター:野田農(早稲田大学准教授・オペラ/音楽劇研究所員)

  • 第3部 「各国受容」

発表⑤ 森本頼子(名古屋音楽大学非常勤講師・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員)
18世紀ロシアとナポリ楽派のつながり

発表⑥ 田中伸明(北里大学専任講師・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員)
ドイツにおけるA.スカルラッティ受容とサンティーニ・コレクション

発表⑦ 吉江秀和(杏林大学非常勤講師・オペラ/音楽劇研究所招聘研究員)
《ピッロとデメートリオ (ピュロスとデメトリオス)》 のロンドン上演について

★演奏2
《ピッロとデメートリオ  Il Pirro e Demetrio》 (ナポリ版1694)より
《ピュロスとデメトリオス Pyrrhus and Demetrius》 (ロンドン版1709)より
森川 郁子(S)、森 有美子(S)、阪永 珠水(Vn.)、髙橋 弘治(Vc.)、上羽 剛史(Cem.)

質疑応答 コメンテーター:野田農(早稲田大学准教授・オペラ/音楽劇研究所員)

閉会挨拶 大河内文恵

司会:石井道子

参加申込み方法

ご来場・オンラインでのご参加にあたっては、12 月4日(木)までに、 あらかじめ以下のURLもしくはQRコードよりご登録をお願いいたします。

https://forms.gle/5jZpYF4QiUnSs6Ek9

問合せ先

[email protected]/

「バロック・オペラ」ワーキンググループ(代表:大河内文恵)

【開催案内】オペラ/音楽劇研究所 2025年度11月研究例会(第232回オペラ研究会)

Monthly Regular Meeting, November 2025 (232th Meeting of the Opera Research Group)

English follows Japanese

浅草オペラにおける舞踊作品の再演について―高田雅夫(1895-1929)の舞踊作品の再演可能性についての検討―

発表要旨

大正期の浅草オペラでは、後に日本のモダンダンスのパイオニアとなった石井漠(1886-1962) や高田雅夫を含め、帝劇歌劇部出身者や彼らの門下生が多くの舞踊作品を創作・発表している。それらの中には再演されているものも見受けられる。

特に高田雅夫は多様な作品を数多く発表しているが、いずれもあまり再演されることはなかった。しかし観客に大いに喜ばれたものがあれば、高田は再演したいと思うかもしれない。その際には、舞踊作品としてではなく、他作品の舞踊場面として再演されたことも考えられる。

本発表では浅草オペラにおける舞踊作品の再演状況を概観する。そして高田の舞踊作品が作品の一場面に挿入され再演された可能性について検討する。

開催概要
  • 日 時:2025年11月08日(土)16:30-18:00
  • 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス54号館204教室 およびZoom配信
  • 発表者:杉山千鶴(早稲田大学スポーツ科学学術院)
  • 司会者:永井玉藻(東京大学)
  • 言 語:日本語
  • 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
参加申込方法

Zoom事前登録が必要です。参加希望者はできるだけ前日の11月7日(金)までに以下のURLから事前登録をしてください。
URL: https://list-waseda-jp.zoom.us/meeting/register/5BFy_JZBSKOaYYHweeteQw

※Zoom自動登録制です。主催者側からはズーム招待状をお送りしません。(なお飛び入り参加も可能です。)
※ご出席の際フルネームの表示をお願いします。発言時以外はミュートおよびビデオ・オフにしてください。スクリーンショット撮影、録音、録画等は厳にお控え願います。また司会者の指示にしたがってください。

問合せ先

早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:https://prj-opera-mt.w.waseda.jp/
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ([at] = @)
(この例会案内は Facebookと X(旧Twitter)でも発信されます。)

発表者プロフィール

早稲田大学スポーツ科学学術院教授。1983年より藤井公・利子にモダンダンスを師事、藤井公・利子主宰東京創作舞踊団の活動に参加(~2008年)。専門は1920年代の浅草軽演劇を中心とした近代日本洋舞史。共編著に『浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代』(2017年、森話社)、共著に『日本人のからだ・再考』(2012年、明和出版)、その他がある。

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【開催終了】オペラ/音楽劇研究所 2025年度10月研究例会(第231回オペラ研究会)

Monthly Regular Meeting, October 2025 (231th Meeting of the Opera Research Group)

English follows Japanese

『歌劇《ドン・カルロ》の改訂におけるナポリ版の位置づけ-フィリッポII世とポーザ侯爵の二重唱を中心に-』 林いのり

発表要旨

G. ヴェルディの歌劇《ドン・カルロ》には複数の改訂版が存在するが、1872年に制作されたナポリ版は、作曲者が監修したにも拘らず音楽面での詳細な分析が行われていない。本発表では、フィリッポII世とポーサ侯爵の二重唱を題材に、ナポリ版を軸にしたオペラ座初演版の翻案(1867)およびミラノ版(1884)との比較分析結果を提示する。使用資料は、各版の楽譜・台本、当時の上演評、ならびに書簡である。分析の結果、ナポリ版では複数の音楽部分を削除して冗長さを回避し、台本の一部を改変して劇の進行を明快にするという、ミラノ版にも通じる方向性が確認された。一方、楽曲形式や歌唱旋律の展開手法には、依然としてイタリア・オペラの慣習に沿う傾向が強くみられた。また、詩行韻律と旋律の関係では、重要なセリフが朗唱調で歌われる点は共通しつつも、伴奏のテクスチャや音量の指定は3つの版で異なっていた。これらの変化は台詞としての歌詞の表現に影響を及ぼしており、ヴェルディの劇作法の変化の一端を反映していると考えられる。

開催概要
  • 日 時:2025年10月11日(土)16:30-18:00
  • 場 所:Zoom配信
  • 発表者:林いのり(エリザベト音楽大学)
  • 司会者:萩原里香(武蔵野音楽大学)
  • 言 語:日本語
  • 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
参加申込方法

Zoom事前登録が必要です。参加希望者はできるだけ前日の10月10日(金)までに以下のURLから事前登録をしてください。
URL:https://list-waseda-jp.zoom.us/meeting/register/Sa_vG7iRSCecyQAzl4J4WQ
※Zoom自動登録制です。主催者側からはズーム招待状をお送りしません。(なお飛び入り参加も可能です。)
※ご出席の際フルネームの表示をお願いします。発言時以外はミュートおよびビデオ・オフにしてください。スクリーンショット撮影、録音、録画等は厳にお控え願います。また司会者の指示にしたがってください。

問合せ先

早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:https://prj-opera-mt.w.waseda.jp/
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ([at] = @)
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発表者プロフィール

東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、お茶の水女子大学大学院博士後期課程を修了(博士、人文科学)。日本学術振興会特別研究員、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所特別研究員などを経て、現在エリザベト音楽大学講師。研究対象領域は、G.ヴェルディを中心とする19世紀後半のイタリア・オペラの劇作法とその受容。近年の論文は「歌劇《シモン・ボッカネグラ》の改訂における、台本詩行と歌唱旋律に対する修正の関係性」(『音楽学』69巻2号)など。幼児教育番組の楽曲における歌詞と旋律の特徴にも関心を持っている。

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【活動報告】受賞報告:萩原里香招聘研究員

萩原里香招聘研究員が、ご著書『コラーゴ — オペラ黎明期の舞台上演責任者』(法政大学出版局、2025年2月刊行)により、イタリアのフライアーノ財団主催の第52回 国際フライアーノ賞「第24回 イタリア語イタリア文学海外研究者賞−ルカ・アッタナシオ−」を2025年6月28日に受賞されました。受賞おめでとうございます。

フライアーノ財団|国際フライアーノ賞

【開催報告】オペラ/音楽劇研究所 2025年度7月研究例会(第230回オペラ研究会)

English follows Japanese

『舞台に立つロボットたち:芸術と工学の交差点における技術の過去・現在・未来』林家宇

開催概要
  • 日 時:2025年7月12日(土)16:30-18:00
  • 場 所:早稲田大学早稲田キャンパス3号館406教室 およびZoom配信
  • 発表者:林家宇(早稲田大学)
  • 司会者:石井道子(早稲田大学)
  • 言 語:日本語
  • 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
  • コメント:25名の参加があった。(会場9名、オンライン16名)

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【開催報告】オペラ/音楽劇研究所 2025年度6月研究例会(第229回オペラ研究会)

Monthly Regular Meeting, June 2025 (229th Meeting of the Opera Research Group)

English follows Japanese

『ミュージカルにおけるリプライズの機能-諸作品に共通の作曲法に関する一考察』丸山瑶子

  • 日 時:2025年6月14日(土)16:30-18:00
  • 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス54号館204教室 およびZoom配信
  • 発表者:丸山瑶子(東京藝術大学 専門研究員、慶應義塾大学他 非常勤講師)
  • 司会者:井上登喜子
  • 言 語:日本語
  • 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所

コメント:25名の参加があった。(会場6名、オンライン19名)

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【開催報告】オペラ/音楽劇研究所:2025年度5月研究例会(第228回オペラ研究会)

Monthly Regular Meeting, May 2025 (228th Meeting of the Opera Research Group)

English follows Japanese

  • 日 時:2025年5月10日(土) 16:30~18:00
  • 場 所:Zoom配信
  • 発表者:大崎さやの(東京藝術大学)辻 昌宏(明治大学)大河内文恵(東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校)森本頼子(名古屋音楽大学)吉江秀和(杏林大学)森佳子(早稲田大学)
  • 司会者:森立子(日本女子体育大学)
  • 言 語:日本語
  • 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所

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【開催報告】オペラ/音楽劇研究所:アルニ・インゴルフソン特別講演会

English follows Japanese

オペラ/音楽劇研究所:アルニ・インゴルフソン特別講演会

「アイスランドにおける日本音楽:現代アイスランドの作曲家に対する日本音楽の影響」:アルニ・インゴルフソン

Dr. Árni Ingólfsson’s Special Lecture
“Japanese Music in Iceland, and the Influence of Japanese Music on Contemporary Icelandic Composers”

現代アイスランド音楽に対する日本音楽の影響の実態について、アイスランドの音楽学者アルニ・インゴルフソン氏が講演を行う。具体的には、①1960年代にアイスランドのラジオで團伊玖磨や武満徹の作品、横山克也の演奏が放送され、アイスランド市民が日本の伝統音楽に関心を抱いたこと、②1970年代からアトリ・スヴェインソン(1938-2019)やトルケル・シグルビョルンソン(1938-2013)などアイスランドを代表する現代音楽作曲家の作品において日本音楽の影響が明確に表れ始めたことに関する内容である。講演の際にはスヴェインソンの《フルート協奏曲》やオペラ《The Silk Drum》(1980年)など具体的な作品を取り上げ、実際に映像や音源を再生しながらアイスランド音楽と日本音楽(特に日本の能《綾の鼓》)の比較分析を行う。そのうえで、このような影響関係が日本人作曲家とアイスランドの演奏家たちとの緊密な交流のもとで発展していったこと(細川俊夫とニューミュージック・アンサンブル「カプト」)、映画業界などにおいても反映されていること(坂本龍一の音楽にインスパイアされた『ジョーカー』、『タール』の作曲家、及び2020年アカデミー賞最優秀映画音楽賞受賞のヒルドゥル・グィズナドッティル)について注目する。

開催概要
  • 期  間:2025 年 4 月 26 日(土)14:00~16:00
  • 会  場:早稲田キャンパス8号館303会議室
  • 対  象:一般公開
  • 言  語:英語(通訳なし)
  • 主  催:早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所

コメント:23名の参加があった。

 

プロフィール

アルニ・ヘイミル・インゴルフソン:アイスランドの音楽学者で、ハーバード大学で歴史音楽学の博士号を取得(2003年)。現在レイキャヴィーク・アカデミー主任研究員。主な関心領域は中世から現代までのアイスランド音楽史で、アイスランド音楽に関する複数の著書がある。特に“Jón Leifs and the Musical Invention of Iceland”(インディアナ大学出版、2019年)は、『ニューヨーカー』誌のアレックス・ロスによって、その年の音楽に関するベストブックの1冊に挙げられた。また近著に“Music at World’s End: Three Exiled Musicians from Nazi Germany and Austria and Their Contribution to Music in Iceland” (SUNY Press, 2025)がある。2025年1月にはBBC Radio3の“European Road Trip: Early Music in Iceland”で13世紀以降のエッダに基づくアイスランドの教会合唱音楽について語っている。ピアニスト、チェンバリスト、指揮者としても欧米を中心に活躍しており、2003年にはカルミナ室内合唱団を創設し、10年間指揮者と芸術監督を務めた。彼の指揮のもとで合唱団は17~18世紀のアイスランドの古写本から音楽を集めた2枚のCDを発表し、いずれもアイスランド音楽賞の最優秀CD賞を受賞している(2008年と2011年)。

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